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2024年5月16日の中国新聞による報道について


 現在、広島の大きな問題の1つとなっている図書館移転問題。予算の総額もどんどん膨れ上がり、いまだに示されない状況で、市の無責任さが露呈されています。広島駅前にある、築25年の商業ビル「エールエールA館」への移転がその場しのぎの愚策であると言わざるを得ません。

 そんな中、1月に出された「浅野文庫等施設(仮称)整備基本計画」(案)。その計画も問題が多く、2024年5月15日、要望書を生涯学習課に提出し、我々が願っている「文学館」とはかけ離れていることを説明しました。要望書の内容は、次のとおりです。

 今回の要望書提出について、2024年5月16日の中国新聞朝刊にて報道がなされました。しかし、その内容には大きな誤りがあり、憤りを感じています。記事の内容は、次のとおりです。

 

(以下、引用)

 

「浅野文庫」や広島文学資料を保存・活用 専門図書館に文学館を 市に3市民団体が要望

 

 広島市が整備を計画している市立中央図書館(中区)所蔵の「浅野文庫」や広島ゆかりの文学資料を保存・活用する専門図書館を巡り、「広島文学資料保全の会」など三つの市民団体が15日、館内への文学館の設置を市へ要望した。

 3団体は新施設の整備を歓迎しつつ、文学資料と浅野文庫の展示コーナーが同じで手狭になるのを懸念。施設内に、専門図書館と別に文学館を明確に位置付けて整備するよう求めている。JR広島駅前の商業施設「エールエールA館」(南区)へ移転する中央図書館との機能のすみ分け▽施設レイアウト▽学芸員の態勢―などの再考も促す。

 この日、3団体の計7人が市役所を訪れ、生涯学習課に要望書を提出した。保全の会の土屋時子代表(75)は「文学館を設けないと図書館と誤解され、PRにならない。広島文学の資料展示や保管、企画展などが充実した施設にしてほしい」と話した。

 市の基本計画では、市長公舎(中区)を解体した跡に専門図書館を新設する。郷土の歴史や文化の学びと継承を目的とし、2029年度の開館を目指している。(野平慧一)

 

(引用終わり)

 

 我々は、要望書の中で「図書館」と「文学館」は、全くの別物であり、「専門図書館」だと、専門家や研究者しか訪れない、ということを指摘しています。

 我々が要望しているのは、館内への文学館の設置、施設内に専門図書館と別に文学館を明確に位置付けて整備、ということではなく、「浅野文庫」と「文学館」併設の図書館で、名称も「文学館」としてほしいということです。そうすれば、広島の歴史と文化を知る館や文学館ができた」ということをアピールできます。

 また、「文学館を設けないと図書館と誤解され、PRにならない。」とも述べていません。図書館と文学館を併設した施設は国内にも存在しています(例:くまもと文学・歴史館(熊本県立図書館)など)が、我々はそれを望んでいるのです。

 

 我々は、今回計画されている新施設について、批判したいわけではありません。せっかく新しくするのだから、よりよいものにしたい。それは、広島市も我々も想いは同じはずです。だからこそ、よりよいものにするために、この要望書を提出しました。

 

 中国新聞の皆さんには、今回のことを真摯に受け止め、報道する側としての責任を持って取り組んでいただきたく思います。